「アクセス数は増えているのに、問い合わせは増えない」というご相談をよくいただきます。この場合、原因は集客(アクセスを増やす施策)ではないことが少なくありません。サイトに来た人を問い合わせまで導く「導線」側に原因があります。広告やSEOに予算を追加する前に、まず自社サイトの導線を点検することをおすすめします。
今回は、見落とされがちな3つの原因を整理します。あわせて、改善時に注意すべき点もお伝えします。
そもそも、なぜ導線の問題は見過ごされやすいのか
アクセス解析ツールは「何人が訪れたか」を教えてくれます。しかし「訪れた人がどこで離脱したか」までは、標準の設定だけでは見えにくいことが多いです。そのため、問い合わせが増えないと「もっとアクセスを増やそう」という発想に流れがちです。母数を増やしても、離脱率が高いままでは問い合わせ数はほとんど変わりません。
まずは今のアクセスを取りこぼしていないかを確認しましょう。その方が、投資対効果は高くなります。特に広告費を投じてアクセスを増やしている場合、導線の欠陥は広告費の無駄遣いに直結します。優先して点検する価値があります。
原因1:問い合わせフォームの入力項目が多すぎる
会社名・部署名・役職・電話番号・住所…と、入力項目を増やすほど、途中で離脱する人は増えます。特にスマートフォンからのアクセスでは、入力の手間がそのまま離脱につながります。
まずは「氏名・会社名・メールアドレス・相談内容」程度まで項目を絞りましょう。詳しいヒアリングは、折り返しの電話や打ち合わせで行います。この順番に変えるだけで、送信率が改善するケースがあります。
項目を減らす際は、社内で1つずつ確認してください。「本当に初回接点で必要な情報か」という視点です。こうすると、削れる項目が見つかりやすくなります。あわせて、入力欄でエラーが出たときの表示も確認しておきたいポイントです。
原因2:問い合わせボタンまでの距離が遠い
トップページの一番下にしか問い合わせボタンがない、というサイトは今も多く見られます。訪問者は必ずしも上から下まで読んでくれるとは限りません。途中で離脱してしまえば、下にあるボタンには気づいてもらえません。
- 各ページの上部(ファーストビュー)にも問い合わせへの導線を置く
- スマートフォンでは画面下部に固定表示するボタンを検討する
- 「お問い合わせ」だけでなく「無料相談」「資料請求」など、心理的なハードルの異なる複数の入口を用意する
こうした工夫で、離脱前に気づいてもらえる機会を増やせます。特に、いきなり「お問い合わせ」だけを置くと、検討段階が浅い訪問者は反応しにくくなります。複数の入口を用意する効果は大きくなります。サービスページごとに、そのページの内容に合わせた導線文言を用意することも、反応率を高める工夫のひとつです。
原因3:フォーム送信後のフォローが仕組み化されていない
フォームから送信された問い合わせに、担当者が気づくまで数日かかってしまう、というケースも見受けられます。BtoBの問い合わせは検討先が複数社に及ぶことが多いです。返信の早さが、選ばれるかどうかに直結します。
無料のCRM・MAツール(HubSpotなど)を使いましょう。問い合わせが入った時点で担当者に通知を飛ばせます。対応状況も記録しておけます。仕組みを整えることで、「気づくのが遅れて機会を逃す」ことを防げます。
また、担当者が複数いる場合は注意が必要です。誰が対応中かを記録しておきましょう。二重対応や対応漏れも防ぎやすくなります。
改善時に注意したいこと
導線改善は、一度に全部を変えようとすると、何が効いたのか分からなくなります。フォームの項目、ボタンの配置、フォロー体制は、できるだけ1つずつ変更しましょう。変更前後でアクセス解析の数値を比較することをおすすめします。
また、項目を削りすぎると、必要な情報が不足することもあります。かえって対応の手間が増えることもあるため、「初回接点で最低限必要な情報」の線引きは慎重に行ってください。改善のたびに社内の関係者と認識をすり合わせておくと、後から「なぜ変えたのか」が分からなくなることも防げます。
スマートフォンでの見え方も忘れずに確認する
BtoBの問い合わせであっても、移動中や外出先でスマートフォンから検討しているケースは珍しくありません。パソコンの画面では問題なく見えていても、スマートフォンでは違います。文字が小さすぎる、ボタンが誤タップしやすい位置にある、フォームの入力欄が画面からはみ出している、といった問題が起きていることがあります。
定期的に、自分のスマートフォンで実際にフォームを送信してみましょう。途中でストレスを感じる箇所がないかを確認します。地味ですが、効果的な点検方法です。
改善の優先順位に迷ったら
3つの原因すべてを一度に直そうとすると、社内のリソースが分散します。結局どれも中途半端になりがちです。迷った場合は、まず「フォーム項目を減らす」から着手することをおすすめします。
他の2つに比べて、社内調整が少なくて済みます。比較的短期間で反映でき、離脱率への影響も測定しやすいためです。小さな改善で数値の変化を確認できると、次の改善にも取り組みやすくなります。社内でも改善の効果を共有しやすくなります。
まとめ
| 原因 | 対策の方向性 |
|---|---|
| フォーム項目が多い | 必須項目を最小限に絞る |
| ボタンまでの距離が遠い | 複数箇所・複数の入口を用意する |
| 送信後のフォローが遅い | 通知・記録の仕組み化 |
アクセスを増やす前に、まず今のサイトを確認しましょう。「来た人を取りこぼしていないか」という視点です。これが、遠回りに見えて一番効果的な改善です。特に広告費をかけてアクセスを集めている企業ほど、導線の欠陥がそのまま広告費の無駄につながっているケースが多く、点検の優先度は高いといえます。
逆に言えば、導線を整えるだけでも成果は変わります。新たな広告費をかけずに、問い合わせ数を底上げできる余地が残っている、ということです。自社サイトの導線を一度チェックしたい方は、無料相談で診断します。