「営業時間は、月曜から金曜の9時から17時。ただし昼休憩があって……」。Googleビジネスプロフィール(Googleマップやスマホの検索結果に、自社の店舗情報を表示してくれる、Google公式の無料ツールです)で営業時間を設定するとき、こうした説明を頭の中で組み立てたあと、曜日ごとの数字の入力画面に一つひとつ打ち直す作業をしていないでしょうか。Googleは2026年9月、この「文章」のまま営業時間を伝えられる新機能のテストを始めたと報告されています。何が変わるのか、中小企業の店舗運営にとっての意味を整理します。
何が始まったのか。「営業時間を自動設定」機能の仕組み
海外のSEO専門メディアSearch Engine Roundtableが2026年9月24日に報じたところによると、Googleビジネスプロフィールの管理画面にある「営業時間」の設定項目に、新しい選択肢が追加されているアカウントが確認されています。その名前は「営業時間を自動で設定」というものです。
これまでの営業時間の設定は、月曜から日曜までの7日分について、開店時刻と閉店時刻を一つずつ選ぶ仕組みでした。昼休憩がある場合は、さらにその時間帯も別に設定する必要がありました。曜日ごとに時間が違う店舗や、不定休の店舗では、この入力作業がかなりの手間になっていました。
新しい機能では、この入力を文章で済ませられます。たとえば「月曜から金曜は9時から17時、ただし13時から14時は昼休憩。土日は定休」といった文章をそのまま入力欄に書き込むと、GoogleのAI(人工知能のことです。ここでは、文章の意味を読み取って自動で分類する技術を指します)がその内容を読み取り、曜日ごとの開店・閉店時刻として自動で振り分けてくれます。振り分けられた結果は、通常の営業時間の設定画面にそのまま反映される仕組みです。
ただし、この記事を書いている時点で、Google自身がこの機能について公式ブログで発表したという情報は確認できていません。一部のアカウントでテストが行われている、という段階の報告です。今後すべての事業者に表示されるかどうか、最終的にどのような形で正式導入されるかは、まだ分からないという前提で読み進めてください。
実はこの「文章で指示するとビジネスプロフィールが自動で更新される」という方向性自体は、今回が初めてではありません。Googleは2026年6月、対話型AI「Gemini」(ジェミニ。Googleが提供する生成AIサービスです)をビジネスプロフィールと直接連携させる機能を正式に発表したと報告されています。この連携が有効になると、口コミへの返信文の下書き作成や、投稿の作成、営業時間の更新などを、自然な日本語・英語の指示だけで行えるようになるとされています。今回の「営業時間を自動で設定」は、こうしたAIによる自動化という大きな流れの中の、ひとつの具体的な機能だと捉えると分かりやすいでしょう。
なぜ今、この機能が必要とされているのか
背景には、営業時間の入力そのものが、思っているより面倒な作業だという事情があります。次のような業種・状況では、曜日ごとの数字入力だけで営業時間を正確に表すのが、特に骨の折れる作業になりがちです。
- 飲食店や美容室で、ランチタイム後に一時的に閉店し、ディナー前にまた開ける「昼休憩」がある場合
- 整体院や歯科医院で、曜日ごとに診療時間が異なり、さらに月に数回だけ休診日が設定されている場合
- 第2・第4週の水曜日だけ定休日、といった「隔週」「月に数回」の不定休がある場合
- 季節によって営業時間そのものが変わる、観光地の店舗や屋外施設の場合
こうした変則的な営業時間を一つずつ数字で入力していくと、入力ミスも起きやすくなります。
実際に入力を誤ったまま放置されているビジネスプロフィールも見かけます。営業時間の表示が実際と違っていると、お客様は「閉まっていると思って行かなかった」あるいは「開いていると思って行ったら閉まっていた」という体験をします。どちらにしても、サイトへの訪問や来店につながるはずだった機会を、入力ミス一つで失っていることになります。
もう一つの背景として、ビジネスプロフィールの評価基準そのものが厳しくなっていると報告されている点も見逃せません。プロフィールの情報がどれだけ正確に、丁寧に整えられているかが、地図やローカル検索での表示順位に関わると言われています。営業時間のような基本情報も、その「整え方」の一部です。入力のハードルを下げることは、Googleにとっても、事業者にとっても利益がある話だと考えられます。
私は個人事業主として2004年からホームページ制作や集客のコンサルティングに携わってきましたが、「営業時間の設定を後回しにしている」という相談は、実は少なくありません。難しい作業ではないのに、曜日ごとに何度も同じような操作を繰り返す煩わしさが、後回しにする一番の理由だと感じています。文章で一度に伝えられる仕組みは、この「後回し」を減らす効果が期待できます。
中小企業は今、何に注意すればよいか
この機能がもし自社のアカウントに表示されても、注意しておきたい点がいくつかあります。
1. AIが振り分けた結果は、必ず自分の目で確認する
文章から自動で振り分けられた営業時間が、意図したとおりの内容になっているかは、保存する前に必ず確認しましょう。「昼休憩」「不定休」「隔週で休み」といった、やや複雑な言い回しは、AIが意図と違う形で解釈してしまう可能性があります。自動化された部分であっても、最終確認は人の目で行うという姿勢は変わりません。
2. 季節や行事による臨時の変更は、別途その都度の対応が必要
自動設定が対象にしているのは、普段どおりの定期的な営業時間です。年末年始やお盆、臨時休業といった一時的な変更は、別の「特別な営業時間」の設定項目で、その都度入力する必要があります。これは自動設定機能が導入されても変わりません。
3. テスト段階の機能である点を踏まえ、慌てて使う必要はない
まだ一部のアカウントでのテストという段階です。表示されていないからといって、何か設定に問題があるわけではありません。通常の曜日ごとの入力方法も、これまでと変わらず使えます。表示された場合に試してみる、という程度の気持ちで構いません。
なお、Googleビジネスプロフィールのクチコミ(口コミ)ポリシーの改定や、投稿の閲覧数表示の復活など、2026年はビジネスプロフィール関連の変更が相次いでいます。営業時間の自動設定も、その延長線上にある変更の一つとして捉えておくとよいでしょう。
まとめ
Googleビジネスプロフィールで、営業時間を文章のまま入力できる機能のテストが始まったと報告されています。要点を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更の内容 | 「営業時間を自動で設定」という選択肢が追加され、文章を書くだけでAIが曜日ごとの時間に自動で振り分ける |
| 対象 | 一部アカウントでのテスト中。Googleからの公式な発表は未確認 |
| メリット | 曜日ごとの数字入力の手間が減り、複雑な営業時間も一度の文章で伝えられる |
| 注意点 | AIの振り分け結果は保存前に必ず確認する。臨時休業は別途入力が必要 |
最後に、この記事で使った専門用語を整理しておきます。
| 記事内の専門用語 | 意味 |
|---|---|
| Googleビジネスプロフィール | Googleマップやスマホの検索結果に、自社の店舗情報(営業時間・写真・口コミなど)を表示する、Google公式の無料ツール |
| MEO | ローカルSEOとも呼ばれる、Googleマップや地図付きの検索結果で自社を見つけてもらいやすくするための取り組み全般 |
| AI(人工知能) | ここでは、人が書いた文章の意味を読み取り、必要な情報を自動で抜き出して分類する技術のことを指す |
| Gemini(ジェミニ) | Googleが提供する対話型のAI(生成AI)サービス。文章での指示を理解し、様々な作業を代わりに行う |
営業時間のような基本情報は、地味に見えても、来店機会を左右する大切な要素です。こうした細かな変更を追いかけるのが難しいと感じる方は、無料相談でプロフィールの状況を一緒に確認することもできます。
