「投稿はしているけれど、誰かに見られているのか分からない」——Googleビジネスプロフィール(Googleマップやローカル検索に自社情報を表示する、Google公式の無料ツールです)の「投稿」機能を使っている方から、よくこう聞きます。実はこの感覚には理由があります。Googleは2023年に、投稿の閲覧数を表示する機能を廃止していました。それが2026年9月、Googleの公式ニュースレターを通じて復活したと報告されています。この記事では、何が変わり、地図・ローカル検索で集客したい中小企業は何をすればよいかを整理します。
「投稿閲覧数」復活のニュースを整理する
Googleビジネスプロフィールには「投稿」という機能があります。お知らせ・特典・イベントといった情報を、検索結果やGoogleマップ上の自社情報欄に直接掲載できる仕組みです。ホームページを更新するより手軽で、最新情報を素早く伝えられる手段として、多くの事業者が使っています。
この投稿には、以前「何回見られたか」を示す閲覧数が表示されていました。ところがGoogleは2023年2月、この閲覧数の表示を含む一部の分析機能を廃止しています。背景には、データの集計・表示の仕組み自体を作り直したという事情があったとされています。以降、投稿を続けていても効果が見えづらい状態が、約3年半続いていました。
2026年9月、Googleの中小企業向け公式ニュースレター「Google Small Business Bulletin」で、この閲覧数表示の復活が案内されたと報告されています。過去18か月分の投稿にさかのぼって閲覧数が表示され、検索結果とGoogleマップ、両方で見られた回数を合算した数字になっているとのことです。お知らせ・特典・イベント、いずれの投稿タイプにも表示されます。
ただし、注意点もあります。復活したのは「見られた回数」だけです。投稿内のボタン(詳細を見る、予約する等)が「クリックされた回数」は、今回の更新では戻っていないと報告されています。効果測定の材料が増えたのは事実ですが、以前とまったく同じ機能に戻ったわけではない、という点は押さえておく必要があります。
なぜGoogleは、一度やめた機能をあえて戻したのか
一度廃止した機能を、Googleが3年半後に復活させるのは珍しいことです。海外の報道では、この機能が「最も要望の多かった機能のひとつ」として案内されたと伝えられています。つまり、事業者側からの「数字が見たい」という声が、相応に積み重なっていたと考えられます。
Googleビジネスプロフィールは無料で使えるツールです。無料である以上、機能の優先順位はGoogleの判断に委ねられます。ここ数年、Googleはオーナー確認(本人確認)の厳格化や口コミ(クチコミ)ポリシーの改定など、なりすまし対策・品質対策を優先して進めてきました。その一方で、事業者が日々の運用で使う分析機能は、後回しになっていた面があったといえそうです。
今回の復活は、そうした品質対策がひと段落し、事業者の使い勝手の向上に目が向き始めたサインとも読めます。もっとも、これはあくまで推測の域を出ません。Google側から明確な理由説明があったわけではないため、断定はできません。
似たようなことは、他の分析機能でも起きています。Googleビジネスプロフィールは、2023年前後に分析機能全体を「パフォーマンスAPI」という新しい仕組みに作り替えました。この作り替えの過程で、写真の閲覧数や、検索経路(社名で検索されたのか、業種名で検索されたのかの内訳)など、複数の指標が一時的に見えなくなっています。今回戻ったのは、そのうちの投稿閲覧数だけです。他の指標が今後どうなるかは、現時点では分かりません。
中小企業にとって、これは何を意味するのか
閲覧数が見えなかった3年半の間、多くの事業者は「投稿を続ける意味があるのか」を、実感を伴わずに判断してきました。この状態が、今回の復活で変わります。
効果測定ができるようになる
これまでは、投稿を月に何回出しているか、という「量」でしか運用を振り返れませんでした。閲覧数が見られるようになると、「どの投稿がよく見られたか」という質の比較ができます。特典を告知した投稿と、お知らせだけの投稿とで、閲覧数に差が出るかもしれません。写真の有無や、投稿の文章の長さでも差が出る可能性があります。こうした比較は、閲覧数という数字があって初めて成立します。
「更新の理由」ができる
閲覧数が見えないと、投稿は「やってもやらなくても変わらない作業」に見えがちです。実際、多くの事業者がGoogleビジネスプロフィールの更新を後回しにしがちなのは、この「手応えのなさ」が一因だと感じています。筆者自身、ローカルSEO(MEO)の運用支援を行う中で、「更新の効果が見えないから続かない」という相談を何度も受けてきました。数字という手応えが戻ることで、更新を継続する動機づけになると考えられます。
過度な期待は禁物
一方で、閲覧数が多いことと、実際の来店・問い合わせが増えることは、必ずしもイコールではありません。閲覧数はあくまで「見られた回数」であり、「行動につながった回数」ではないからです。この点は、次の章で改めて触れます。
実務でどう活用すればよいか
閲覧数という数字が使えるようになったら、次のように活用することをおすすめします。
- 投稿の頻度を保ちながら、内容を比較する:週1回など決まった頻度で投稿を続け、閲覧数の推移を記録します。特典・イベント・お知らせのどのタイプが見られやすいか、数週間単位で比較しましょう。
- 写真・文言のパターンを変えてみる:同じお知らせでも、写真を変える、文章の書き出しを変えるなどして、閲覧数の変化を見ます。ただし、クリック数(行動に結びついた数)は今回戻っていないため、閲覧数だけで「成果が出た」と判断しないよう注意が必要です。
- 問い合わせ数・来店数と合わせて見る:閲覧数が増えた時期と、実際の問い合わせ数の推移を照らし合わせます。両方が連動していれば、投稿が集客に寄与している可能性が高まります。連動していなければ、投稿の内容や、問い合わせ導線(電話番号やウェブサイトへのリンクの分かりやすさ)を見直すきっかけになります。
なお、過去18か月分の投稿にさかのぼって閲覧数が表示される、と報告されているため、これまで投稿をためてきた事業者は、まず過去の投稿を振り返り、どのタイプが比較的見られていたかを確認するところから始めるとよいでしょう。
イメージとしては、リフォーム会社が地域にチラシをまいたときに、これまでは「何枚配ったか」しか分からなかったのが、「何人が実際に手に取って読んだか」まで分かるようになった、という変化に近いといえます。配布枚数だけを見ていたときは、チラシの中身を工夫しても、その工夫が効果につながったのかどうか確かめようがありませんでした。閲覧数という中間指標が加わることで、最終的な問い合わせ数だけでなく、その手前の「見られているかどうか」という段階でも、改善の手がかりが得られるようになります。
注意点・よくある誤解
「投稿閲覧数が多い店は繁盛している」と単純に考えるのは誤解です。業種・地域によって検索される回数自体が異なるため、他社との単純比較にはあまり意味がありません。あくまで自社の投稿同士を比べ、どのパターンが相対的に見られやすいかを確認する材料として使うのが実務的です。
また、閲覧数がすべての投稿タイプに戻ったとしても、Googleビジネスプロフィール全体の評価が投稿だけで決まるわけではありません。プロフィール情報の充実度や、口コミへの返信状況など、他の要素も引き続き重要です。投稿の数字だけに気を取られて、基本的な情報整備がおろそかにならないよう気をつけてください。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が変わったか | 2023年2月に廃止された投稿の閲覧数表示が、2026年9月に復活したと報告されている |
| 戻っていないもの | 投稿内ボタンのクリック数は、今回の更新では戻っていない |
| 対象期間 | 過去18か月分の投稿にさかのぼって表示される |
| すべきこと | 投稿タイプ・内容を比較し、問い合わせ数の推移と合わせて確認する |
| 注意点 | 閲覧数の多さだけで集客効果を断定しない。他社との単純比較も避ける |
| 記事内の専門用語 | 意味 |
|---|---|
| Googleビジネスプロフィール | Googleマップやローカル検索に自社情報を無料で表示できる、Google公式のツール |
| ローカルSEO(MEO) | 地図やローカル検索での表示順位を上げるための対策 |
| 投稿(Googleの投稿機能) | お知らせ・特典・イベントを検索結果やマップ上に直接掲載できる機能 |
Googleビジネスプロフィールは無料で使える分、こうした仕様変更が事前予告なく行われることも珍しくありません。自社の運用が今の状況に合っているか不安な方は、無料相談でご相談ください。
