「うちは普通の会社案内サイトだから、ニュースとは関係ない」。そう感じる方も多いと思います。しかし2026年10月、Googleが一部のサイト運営者に向けて、自社サイトが「Preferred Sources(プリファード・ソース、お気に入りの情報源)」としてどれだけ選ばれているかを知らせるメールを送っていることが、海外のSEO専門メディアで報じられました。ブログやコラムで情報発信をしている中小企業にも関係する話なので、仕組みと備え方を整理します。

Preferred Sources(お気に入りの情報源)とは何か

Preferred Sourcesは、Google検索の利用者が、検索結果の「トップニュース」欄で優先的に表示してほしいサイトを、自分で選んで登録できる機能です。検索結果画面の「トップニュース」の横にある星のアイコンをタップすると、好きなサイトを検索して登録リストに追加できます。登録できる件数に上限はなく、いつでも追加・削除が可能です。

この機能は2025年8月、まずアメリカとインドで始まりました。その後2026年5月1日、日本語を含むGoogle検索の対応言語すべてに展開されたと、Google公式ブログ(blog.google)で発表されています。つまり日本の利用者も、自分がよく読むニュースサイトやブログを「お気に入り」として登録できる状態が、すでに半年ほど続いていることになります。

Googleは、利用者が登録したサイトについて「そのサイトをクリックして訪問する割合が2倍になる」という効果を公式に説明しています。ただし誤解しないでおきたいのは、これは検索結果の順位そのものを上げる仕組みではない、という点です。あくまで、その利用者本人の検索結果にだけ、登録したサイトが優先的に表示されやすくなる「個人ごとの設定」であり、全員に対する一律のランキング変更ではありません。

2026年10月に届いた通知メールの中身

今回報じられたのは、GoogleがSearch Console(サーチコンソール。Googleが無料で提供する、検索順位や流入経路を確認できる公式ツール)の登録サイト宛てに送ったメールの内容です。海外のSEO専門メディアが公開したスクリーンショットによると、メールの見出しには「〇〇人があなたのサイトをPreferred Sourceとして選んでいます」といった趣旨の文言と、具体的な登録人数が記載されていたとのことです。

メールでは、人数の報告に加えて、2つの行動を促す案内があったと伝えられています。1つは、自社サイトに「フォロー」を促すGoogle公式のボタン(JavaScriptで設置する小さな部品)を設置することです。もう1つは、今後のレポート機能について尋ねる、2分程度の簡単なアンケートへの回答依頼です。

この通知が届くのは、一定数以上の利用者から選ばれているサイトに限られるとみられます。そのため、今のところ全てのサイト運営者に届いているわけではなく、主にニュース性のある記事を一定の頻度で発信しているサイトが対象になっていると考えられます。この点は、Googleからの公式な一次情報としてではなく、第三者の報道をもとにした情報のため、断定はできません。

Googleは2026年に入ってから、Search Consoleに画像検索の流入が分かるフィルタを追加するなど、サイト運営者に細かいデータを開示する機能を続けて増やしています。今回のPreferred Sourcesの通知も、同じ流れの一つと見ることができます。これまでは「検索結果に何位で表示されているか」しか分からなかったところに、「どれだけの人に、個人的に選ばれているか」という新しい視点が加わった、という変化です。

「トップニュース」欄で選ばれやすいのはどんなサイトか

Preferred Sourcesの対象になる「トップニュース」欄は、通常の検索結果とは少し違う仕組みで表示先が決まります。話題性のあるテーマについて、複数のメディアやサイトの記事を一覧で並べる欄だからです。そのため、商品紹介や会社概要のような、更新されない固定ページは、そもそもこの欄に表示される機会自体が少なくなります。

一方で、最近の出来事や業界の動きを扱った記事、季節や制度の変わり目に合わせたタイムリーな解説記事は、この欄に表示されるチャンスがあります。Googleはこうした欄に表示する記事を選ぶ際、情報の新しさに加えて、書き手の専門性や実体験が感じられるかどうかも重視していると、自社のガイドラインで説明しています。これはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字をとった、Googleが検索結果の評価で重視する考え方です)と呼ばれる基準とも重なります。

中小企業にとって何を意味するのか

ここまでの内容を、自社にとっての意味として3つに整理します。

1. 会社案内ページそのものには、直接の影響は少ない

一般的な会社案内のトップページや、商品・サービスの紹介ページは、トップニュース欄の対象にはなりにくいと考えられます。「うちのサイトには関係ない」と感じた方の多くは、この理解で大きく間違っていません。

2. ブログやコラムでニュース性のある発信をしている会社には関係してくる

自社のブログで、業界のニュースや制度の変更を取り上げている会社であれば、話は変わってきます。読者が「このサイトはまた見に行く価値がある」と感じれば、Preferred Sourcesに登録される可能性が出てきますし、登録されれば次回以降の訪問につながりやすくなります。

3. 「1回読まれる」より「また読みに来てもらう」ことの重要性が増す

私自身、このGoalSeekのブログで、業界のニュースを取り上げた記事を定期的に発信しています。Preferred Sourcesのような「読者が自分で選んで登録する」仕組みが広がるほど、1回読んでもらうだけでなく、繰り返し読んでもらえる関係づくりの重要性が増していく、と感じています。これはAIによる概要(AI Overviews。検索結果の上部にAIが自動で表示する要約のことです)が広がり、1位の検索結果でもクリックされにくくなっている状況とも関係があります。検索結果に一度表示されるだけでは十分ではなく、「また見に行く価値がある」と思ってもらえる関係性の構築が、これまで以上に意味を持つようになっているということです。

また、Preferred Sourcesに選ばれやすいサイトの特徴は、これまでSEOの基本として言われてきたことと重なります。更新頻度が安定していること、内容に専門性や実体験が感じられること、読者から信頼されていることなどです。特別な対策を新たに用意する話ではなく、普段からの情報発信の積み重ねが、巡り巡ってこうした仕組みにも反映される、という捉え方が近いでしょう。

注意点・よくある誤解

まず、Preferred Sourcesの通知メールが届かないことを、悲観する必要はありません。先述の通り、対象になるのは一定数以上の利用者から選ばれているサイトに限られるとみられ、通常の会社案内サイトであれば届かないことの方が自然です。

次に、仮に通知が届いたとしても、それ自体が検索順位の上昇を意味するわけではありません。あくまで「一部の利用者に個人的に選ばれている」という事実を知らせるものであり、サイト全体の評価が上がったことを保証するものではない点に注意してください。

最後に、Googleが案内している「フォローを促すボタン」の設置についてです。これは任意の対応であり、設置しなければ不利益を受けるという性質のものではありません。導入を検討する場合も、サイトの表示速度や見た目への影響を確認したうえで、優先度を見極めて判断することをおすすめします。

まとめ

項目 内容
Preferred Sourcesとは 利用者が「トップニュース」欄で優先表示したいサイトを自分で選んで登録できる機能
展開の経緯 2025年8月に米国・インドで開始、2026年5月1日に日本語を含む全言語に展開
2026年10月の動き 一部のサイト運営者に、登録人数を知らせるメールがSearch Console経由で届いていると報道
効果 Google公式によると登録されたサイトのクリック率は2倍。ただし検索順位自体を上げる仕組みではない
中小企業への関係 会社案内ページには影響しにくいが、ブログ・コラムでの定期的な情報発信には関係する
今からできること 特別な対策より、更新頻度・専門性・信頼性といった普段のSEOの基本を積み重ねる
記事内の専門用語 意味
Preferred Sources(お気に入りの情報源) 検索結果の「トップニュース」欄で、利用者が自分で優先表示したいサイトを登録できるGoogleの機能
Search Console(サーチコンソール) Googleが無料で提供する、検索順位や流入経路を確認できる公式ツール
AIによる概要(AI Overviews) 検索結果の上部にAIが自動で表示する、内容の要約

自社のブログやコラムの情報発信をどう見直せばよいか分からない場合は、無料相談でお気軽にご相談ください。