「このサイト、本当に信頼できるのか」。訪問者は口に出しませんが、サイトを見るたびに無意識にそう判断しています。特にBtoB(会社が個人ではなく会社に向けてサービスを売る取引のことです)のサイトでは、顔の見えない相手に大きな金額や長い付き合いを任せるかどうかを判断してもらう必要があります。この記事では、検索エンジンや生成AIが重視する「E-E-A-T」という考え方をもとに、中小企業のサイトが信頼性を高めるために実際にできることを整理します。

信頼されるサイトの条件「E-E-A-T」とは

E-E-A-T(イー・イー・エー・ティー)とは、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った考え方です。もともとはGoogleが検索結果の品質を評価するための内部ガイドラインの中で使われている基準で、検索順位を決める計算式そのものではありません。ただ、Googleが「どんな情報を上位に出したいか」という方針を示したものなので、サイト作りの指針として参考になります。

4つの要素のうち、最後のTrustworthiness(信頼性)が最も重要だとされています。経験や専門性、権威性があっても、その情報を信頼できなければ意味がないという考え方です。残りの3つは、Trustを裏付けるための材料だと捉えるとわかりやすくなります。実際にやってみた経験があるか、その分野に詳しいか、周囲から認められているか。この3つが揃うことで、はじめて「信頼できる」と判断してもらえます。

E-E-A-Tが重視されるようになった背景

E-E-A-Tという考え方が注目されるようになった背景には、インターネット上に似たような内容の記事が増えすぎたことがあります。誰が書いたかわからない一般論を集めただけの記事では、読者も検索エンジンも、本当に役立つ情報かどうかを判断しづらくなりました。そこでGoogleは、情報の「量」だけでなく「誰が、どんな経験をもとに書いたか」を重視する方向に評価基準を調整してきました。

この流れは、ChatGPTやPerplexity(パープレキシティ)といった生成AIが答えを作る場面でも強まっています。AEO(Answer Engine Optimization。生成AIの回答の中に自社の情報が引用されるようにする対策のことです)についての記事でも触れましたが、AIは情報を要約する際、その情報を発信している人や会社が実際にその分野の経験を持っているかを重視する傾向があるとされています。つまり、E-E-A-Tは検索エンジン対策にとどまらず、AI時代の情報発信全体に関わる考え方になっています。

中小企業にとって、この変化は不利な話ではありません。大企業の総合的な情報サイトよりも、特定の分野に実体験ベースで向き合ってきた中小企業や個人事業主の情報のほうが、むしろ評価されやすい場面があるという指摘もあります。規模の大きさではなく、どれだけ本気でその分野に向き合ってきたかが問われる時代になってきたということです。

具体策①:運営者・執筆者の情報を明記する

最初に手をつけたいのは、「誰が書いているか」をはっきりさせることです。会社概要ページに代表者の経歴や実績を具体的に書く、ブログ記事には執筆者名を添える、といった地味な作業の積み重ねです。匿名性の高いサイトよりも、顔と経歴が見える発信のほうが、読者も検索エンジンも信頼しやすくなります。

私自身、以前ビジネス書の書評メルマガを発行し、読者13,000人規模に成長させた経験があります。その頃から意識していたのは、自己紹介の中で実績をぼかさずに具体的な数字で書くことでした。実績を明記するようにしてから、初めて会う相手からも「知っていました」と言われることが増えた実感があります。経歴や実績は、謙遜して隠すよりも、正直に具体的に書いたほうが信頼につながりやすいというのが、自分の経験から言えることです。

資格や所属団体がある場合は、それも明記しておくとExpertise(専門性)の裏付けになります。資格が無い分野であっても、「何年間、何件対応してきたか」のような経験の具体量を書くことで、専門性を示すことはできます。大切なのは、誰にでも書ける建前の文章ではなく、自社・自分にしか書けない具体的な情報を載せることです。

具体策②:実績と顧客の声を飾らず公開する

次に効果が大きいのが、実績と顧客の声の公開です。「導入実績多数」のような曖昧な表現ではなく、具体的な件数や内容を書くことが、Trustworthiness(信頼性)を裏付ける材料になります。事例を記事としてまとめる際のポイントは、以前事例記事の作り方の記事でも整理しました。

顧客の声についても、実名や会社名、できれば顔写真や動画付きで公開したほうが説得力は高くなります。匿名の「A社様」という表記だけでは、読者から見ると「本当に実在する声なのか」という疑いが残ってしまいます。クチコミを集める仕組みについては、クチコミを依頼する仕組みの記事で手順を紹介していますので、合わせて参考にしてください。

ここで気をつけたいのは、良い評価ばかりを並べないことです。改善を重ねてきた経緯や、過去の失敗から学んだ点を正直に書くことも、かえって信頼性を高めます。良いことばかりが書かれたサイトよりも、多少の弱みや回り道も含めて語られているサイトのほうが、人間味があり信用できると感じてもらえることが多いです。

具体策③:ページの技術的な信頼性を整える

E-E-A-Tは文章の内容だけの話ではありません。サイトの作り方そのものが信頼性の判断材料になる部分もあります。代表的なのが構造化データ(スキーマと呼ばれる、検索エンジンに向けてページの内容を整理して伝えるための記述のことです)です。会社情報や記事の執筆者、公開日を構造化データで明示しておくと、検索エンジンが「誰が、いつ書いた情報か」を正確に認識しやすくなります。

SSL化(サイトの通信を暗号化する仕組みで、URLが「https」で始まるようになります)も基本的な信頼性の土台です。現在ではほとんどのサイトが対応済みですが、古いまま放置しているサイトが残っている場合は、早めに対応したほうがよいでしょう。会社名・所在地・電話番号といった基本情報を、どのページからでもたどれる場所にきちんと載せておくことも、地味ながら効果のある対策です。

更新日の表示も見落とされがちな点です。情報が古いまま更新されていないページは、読者にも検索エンジンにも「今も正しい情報か」という疑問を持たれます。定期的に内容を見直し、古くなった情報を更新した日付を明記しておくことで、継続的に運用されているサイトだという印象を伝えられます。

やりがちな失敗と注意点

よくある失敗の1つが、E-E-A-Tを「資格や肩書きをたくさん並べること」だと誤解してしまうことです。資格や肩書きは専門性の裏付けにはなりますが、それだけでは信頼性は高まりません。むしろ、実際の経験に基づく具体的な話が伴っていないと、読者には「肩書きだけの発信」だと見抜かれてしまいます。

もう1つの失敗は、短期間で結果を求めすぎることです。プロフィールや実績ページを整備しても、検索順位や問い合わせ数にすぐ反映されるわけではありません。地道な積み重ねが評価されるまでには時間がかかる、という前提で取り組む姿勢が大切です。

まとめ

対策 ポイント
運営者・執筆者情報の明記 具体的な経歴・実績を数字で書く。曖昧な表現を避ける
実績・顧客の声の公開 実名・顔写真つきで、良い面だけでなく経緯も正直に書く
技術面の信頼性の土台 構造化データ・SSL化・更新日の明示を整える
記事内の専門用語 意味
E-E-A-T 経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字を取った、情報の信頼度を測る考え方
AEO 生成AIの回答の中に自社の情報が引用されるようにするための対策
構造化データ 検索エンジンに向けてページの内容を整理して伝えるための記述(スキーマ)
SSL化 サイトの通信を暗号化する仕組み。URLが「https」で始まるようになる

E-E-A-Tは、一度整えれば終わりという話ではありません。運営者情報、実績、顧客の声を正直に積み重ねていくことが、検索エンジンにもAIにも、そして実際にサイトを見る人にも伝わる信頼性につながります。自社サイトの信頼性の整え方に迷われている方は、無料相談でご相談ください。