「SEO対策として記事はしっかり書いているのに、なぜか検索順位が上がらない」。検索エンジン最適化(SEO)のご相談で、こうした声を聞くことがあります。記事の中身を見ると、文章も構成も悪くありません。原因の多くは、サイトの中の工夫ではなく、外部のサイトからの評価である「被リンク(ひリンク)」が育っていないことにあります。この記事では、被リンクとは何か、やってはいけない集め方と、中小企業でも地道に取り組める増やし方を整理します。
背景:被リンクとは何か、なぜ検索順位に関わるのか
被リンクとは、自社サイト以外の、他社や他人のサイトから自社サイトへ向けて張られたリンクのことです。たとえば、取引先の会社が自社のページを「おすすめの業者」として紹介し、そこにリンクを貼ってくれた場合、それが被リンクになります。
Googleは長年、この被リンクの数と質を、検索順位を決める重要な材料の1つとして使ってきました。考え方はシンプルです。多くのサイトから紹介されているページは、それだけ価値があると評価されている可能性が高い、という発想です。引っ越し業者を選ぶときのことを考えてみてください。知人から「あの業者は良かった」と何人にも言われれば、初めて聞く業者より信頼できそうだと感じます。被リンクは、いわばWeb上の「口コミによる紹介」に近いものです。
ただし、ここで注意したいのは、被リンクは「量」だけでは評価されないという点です。Googleが重視しているのは、関連性の高い、信頼できるサイトからのリンクです。無関係な分野のサイトや、質の低いサイトからのリンクばかり増やしても、評価には結びつきません。むしろ後述するとおり、不自然なリンクは逆にペナルティの対象になります。
私自身、個人事業主としてSEOの運用代行やコンサルティングを手がける中で、記事の中身は整っているのに被リンクがほとんど無いサイトに何度も出会ってきました。コンテンツを作る工程と、外部から評価されるための工程は別物だということが、現場ではあまり意識されていないと感じます。
原因1・解決策:やってはいけない被リンクの集め方
被リンクが重要だと知ると、「早く増やしたい」という気持ちから、近道を探してしまいがちです。しかし、次に挙げる方法は、Googleのガイドラインで明確に禁止されており、発覚すると検索順位が大きく下がる「ペナルティ」の対象になります。
- リンクを販売するサービスの利用:「〇本〇万円でリンクを設置します」という業者からリンクを購入する方法です。不自然なリンクの集中はアルゴリズムやGoogleの担当者に見つかりやすく、リスクが高い割に効果も長続きしません。
- 相互リンク集・リンクの羅列ページへの登録:関連性のない会社同士が、リンクを貼り合うことだけを目的に作られたページに登録する方法です。かつては一定の効果があった時代もありましたが、現在はほとんど評価されません。
- PBN(ピービーエヌ。被リンクを送るためだけに運営者が自分で複数のサイトを量産し、そこから対象サイトへリンクを集中させる手法のことです)の利用:見た目は別々のサイトに見えても、実際は同一の運営者が自社サイトへのリンクを送るためだけに作っているため、発見されると関係するサイトがまとめて評価を落とすリスクがあります。
こうした方法は、短期的にリンクの数だけを増やせても、サイト全体の評価を落とすリスクを抱え続けることになります。被リンクは「買う」ものではなく、紹介されるに値する情報や実績を地道に積み重ねた結果として「もらう」ものだと考えたほうが、長期的には安全です。
原因2・解決策:中小企業が地道に被リンクを増やす方法
禁止されている近道を避けたうえで、中小企業が実際に取り組みやすい方法を3つ紹介します。
1. プレスリリースや業界団体・商工会への掲載
新商品の発表や調査結果の公開など、ニュースになりそうな情報はプレスリリースとして配信することで、news系のメディアサイトやニュースまとめサイトに取り上げられ、そこから自然な被リンクをもらえる可能性があります。また、所属する業界団体や地域の商工会議所のサイトに会員企業として掲載してもらうことも、堅実で質の高い被リンクの入手経路です。こうした団体のサイトは信頼性が高く評価されやすいため、積極的に掲載を依頼する価値があります。
2. 比較サイト・ポータルサイトへの正式な掲載
関連記事で紹介している比較サイトやポータルサイトへの掲載は、集客そのものだけでなく、被リンクの入手経路としても機能します。ただし、掲載すれば必ず効果があるわけではなく、サイトの信頼性を見極めて選ぶ必要がある点は、比較サイト活用の記事で触れたとおりです。
3. 取引先・仕入れ先からの紹介リンク
長く付き合いのある取引先のサイトに「パートナー企業」や「導入事例」として紹介してもらえないか、相談してみる方法です。普段から関係のある会社からのリンクは、Googleから見ても不自然さがなく、評価されやすい傾向があります。見積もりや契約の際に「よろしければ事例として紹介させてください」と声をかけるだけで、思いのほか了承してもらえることもあります。
実際に私も、サイト改善の仕事に携わる中で、外部からの紹介や評価が自然に増えたことでアクセス数が大きく伸びた経験があります。沖縄県のビジネスマッチングサイトの改善に携わった際には、アクセス数が3倍に伸びました。リンクの数だけを追いかけたわけではなく、紹介するに値する情報を地道に整えていった結果でした。
原因3・解決策:自社の被リンクの状況を確認する方法
自社にどれくらいの被リンクがあるかは、Googleが無料で提供している「Google Search Console(サーチコンソール)」というツールで確認できます。「リンク」というメニューから、外部のどのサイトから、どのページへリンクが張られているかを一覧で見ることができます。
確認する際は、数の多さだけでなく、リンク元のサイトの質にも目を向けます。見覚えのない海外のサイトや、内容と無関係なサイトから急にリンクが増えている場合は、何者かが悪意を持って不自然なリンクを送り、評価を落とそうとしている可能性もゼロではありません。そうした場合は、Googleに対してリンクを無効化するよう申請する仕組みも用意されています。普段から定期的にリンクの状況を確認しておくと、異常に早く気づけます。
実践時の注意点・よくある失敗
被リンクに取り組む際、よくある失敗が2つあります。1つ目は、効果を急ぎすぎることです。良質な被リンクは、取引先との関係づくりや、取り上げてもらえる情報発信の積み重ねから生まれるものであり、短期間で大量に増えるものではありません。数週間で結果を求めず、半年・1年単位で取り組む姿勢が必要です。
2つ目は、被リンクだけに意識が向きすぎて、サイト本体の中身がおろそかになることです。被リンクは、あくまで紹介するに値する情報があることが前提の仕組みです。順番としては、まず紹介したくなるようなサービスページや記事を整えることが先であり、被リンクはその結果として後からついてくるものだと捉えておくことが大切です。
まとめ
被リンクは、外部のサイトから自社サイトへ向けられた「紹介」であり、Googleが検索順位を決めるうえで重視してきた材料の1つです。ただし、量を追い求めてリンクを購入したり、不自然な方法で集めたりすると、ペナルティの対象になります。プレスリリースや業界団体への掲載、取引先からの紹介といった地道な方法を積み重ねることが、安全で長続きする増やし方です。
| 課題 | 見直しの方向性 |
|---|---|
| 記事は書いているが順位が上がらない | 被リンクの状況をSearch Consoleで確認する |
| 早く被リンクを増やしたい | リンク購入・相互リンク集・PBNには手を出さない |
| 被リンクの増やし方が分からない | プレスリリース配信・業界団体掲載・取引先への相談から始める |
| 不自然なリンクが増えていないか不安 | Search Consoleで定期的にリンク元サイトの質を確認する |
| 記事内の専門用語 | 意味 |
|---|---|
| 被リンク | 他社や他人のサイトから自社サイトへ向けて張られたリンクのこと |
| SEO | 検索エンジンでより上位に表示されるよう、サイトを整える取り組みのこと |
| PBN | 被リンクを送るためだけに運営者が自分で複数のサイトを量産する手法のこと |
| Google Search Console | 自社サイトの検索結果での状況や被リンクを無料で確認できるGoogleのツール |
自社の被リンクが今どうなっているかの確認から、無料相談で承っています。
