「アクセス解析ツールは入れたけれど、正直どこを見ればいいのかわからない」。中小企業の経営者や担当者と話していると、こうした声をよく聞きます。GA4(Googleアナリティクス4。訪問者数や滞在時間を見る無料ツール)は導入していても、Google Search Console(サーチコンソール。検索結果での自社サイトの表示状況を見る無料ツール)は後回しにされがちです。この記事では、Search Consoleで最初に確認すべき3つの指標と、それを問い合わせ増加につなげる見方を紹介します。

Search Consoleでわかること(GA4とは何が違うのか)

GA4とSearch Consoleは、どちらもGoogleが無料で提供する解析ツールです。しかし、見ている場面がまったく違います。GA4がわかるのは「サイトに来た後」の行動です。どのページを見て、どれくらい滞在し、問い合わせフォームまで進んだか。一方のSearch Consoleがわかるのは「検索結果に出た時点」の情報です。つまり、まだサイトに来ていない人が、どんな言葉で検索し、その結果に自社サイトが何番目に表示され、クリックされたかどうかまでです。

この違いは、GA4の見方を一通り確認した後に、次の一歩として重要になります。GA4だけを見ていると「アクセス数が増えない」という結果はわかっても、その手前にある「検索結果に出ているのにクリックされていない」のか「そもそも検索結果にあまり出ていない」のかの違いはわかりません。Search Consoleは、この手前の段階を可視化するツールです。

私自身、以前はGA4ばかり日常的に確認し、Search Consoleの確認を後回しにしていた時期がありました。訪問者の行動データのほうが具体的で、改善点がわかりやすく見えたからです。しかし実際に案件でSearch Consoleを継続的に見るようになってから、「検索結果には出ているのに素通りされているキーワード」が想像以上に多いことに気づきました。アクセス解析の前段階にも、見逃せない改善の余地があります。

まず見るべき3つの指標:表示回数・クリック率・掲載順位

Search Consoleの「検索パフォーマンス」というレポートには数多くの数字が並びますが、最初はこの3つだけに絞って見れば十分です。

  • 表示回数:自社サイトが検索結果に表示された回数です。クリックされたかどうかに関係なく、画面に出た数をカウントします。
  • クリック率(CTR):表示回数のうち、実際にクリックされた割合です。「表示回数100回、クリック3回」であればクリック率3%です。
  • 平均掲載順位:検索結果の何番目あたりに表示されていたかの平均値です。1位に近いほど小さい数字になります。

この3つの関係は、店舗の看板に例えるとわかりやすくなります。表示回数は「看板の前を通った人の数」、掲載順位は「看板がどれだけ目立つ場所にあるか」、クリック率は「看板を見て実際に店に入った人の割合」です。通行人が多くても、看板が目立たなければ入店されません。看板が目立っていても、中身に魅力が感じられなければ素通りされます。Search Consoleは、この3つを分けて確認できる点が便利です。

実際の検索語句(クエリ)も同じレポートで確認できます。どんな言葉で検索した人に表示されているかがわかるため、SEOキーワード選定で想定していたキーワードと、実際に検索されているキーワードのズレを見つける手がかりにもなります。想定していなかった言葉で表示が多いページがあれば、そのページを別のキーワードでさらに強化する判断材料になります。

表示回数は多いのにクリックされないキーワードの直し方

3つの指標を並べて見ると、改善すべきページの優先順位が見えてきます。特に注目したいのは「表示回数は多いが、クリック率が低く、掲載順位はそこそこ良い(10位以内など)」ページです。

このパターンは、検索結果の画面には出ているのに、タイトルや説明文(メタディスクリプション)の見せ方で選ばれていない状態を示します。順位を上げる対策(被リンクを増やす、本文を充実させるなど)は時間がかかりますが、タイトルと説明文の書き直しは数日で反映され、効果が出やすい改善です。

具体的には、検索結果の一覧画面で他社のページと並んだときに、自社のタイトルだけが内容を具体的に表していない、というケースが多く見られます。「〇〇について」のような抽象的なタイトルではなく、読むとどんな答えが得られるかを一言で示すタイトルに変えるだけで、クリック率が改善することがあります。

逆に「掲載順位は低い(50位以下など)のに表示回数が多い」ページは、タイトルの修正よりも、検索している人の疑問に本文がきちんと答えているかを見直す優先度が高くなります。順位が低いうちはタイトルを直してもクリックされる機会自体が少ないためです。

順位は伸びているのに成果につながっていないページの見直し方

もう一つ見落とされやすいのが、「順位もクリック率もそこそこ良いのに、問い合わせには結びついていない」ページです。この場合、問題はSearch Consoleの外、つまりページに来た後の体験にあります。

検索結果での見せ方は正しくても、ページを開いた瞬間に「思っていた内容と違う」と感じさせてしまうと、訪問者はすぐに離脱します。検索したキーワードに対する答えが本文の早い段階に書かれているか、専門用語が説明なく並んでいないか、問い合わせへの案内がわかりやすい場所にあるかを確認します。

古くなった記事やページの場合は、情報が古いまま残っていることも離脱の原因になります。公開当時は正確だった内容が、制度変更や相場の変化で現状と合わなくなっているケースは珍しくありません。コンテンツのリライトで情報を更新すると、順位の回復とあわせて、読者が最後まで読んでくれる割合も上がりやすくなります。

使うときの注意点

Search Consoleのデータにはいくつか知っておくべき特徴があります。まず、表示されるデータには数日のタイムラグがあります。昨日公開した記事の数字が今日すぐに正確に反映されるわけではありません。

また、平均掲載順位は「平均」である点に注意が必要です。同じキーワードでも、時間帯や検索する人の地域によって表示される順位は変動します。1つの数字だけを見て一喜一憂せず、1〜3ヶ月程度のまとまった期間で傾向を見る習慣をつけると、実態に近い判断ができます。

表示回数が極端に少ないページについては、クリック率の数字自体の信頼性も下がります。表示回数が数回しかないページで「クリック率0%」と出ても、それが構造的な問題なのか、単に機会が少なかっただけなのかの判断は難しくなります。表示回数が一定以上あるページから優先的に見ていくのが現実的です。

まとめ

Search Consoleは、サイトに来る前の「検索結果での見え方」を確認できる無料ツールです。GA4で訪問後の行動を見るのと合わせて使うことで、問い合わせが増えない原因を手前の段階から探せるようになります。

最初に見るべきポイントを整理します。

状態 優先すべき対策
表示回数は多いがクリック率が低い タイトル・説明文の見直し
順位は低いが表示回数が多い 本文の内容・情報量の見直し
順位もクリック率も良いが成果が出ない ページに来た後の体験・情報の古さの見直し
記事内の専門用語 意味
Search Console(サーチコンソール) Googleが無料で提供する、検索結果での自社サイトの表示状況を確認するツール
表示回数 検索結果に自社サイトが表示された回数
クリック率(CTR) 表示回数のうち、実際にクリックされた割合
平均掲載順位 検索結果で表示された順位の平均値
検索クエリ 検索する人が実際に入力した言葉
メタディスクリプション 検索結果でタイトルの下に表示される説明文

日々の数字をすべて追う必要はありません。月に1回、この3つの指標をチェックするだけでも、次に手を入れるべきページの優先順位がはっきりします。