「順位は上がったのに、アクセスも問い合わせも増えない」。SEO(検索エンジン最適化。検索結果でより上位に表示されるよう、サイトを整える取り組みのことです)に取り組んでいる会社から、こうした声を聞くことがあります。原因の多くは、検索結果に表示される「タイトル」と「説明文」が、クリックしたくなる書き方になっていないことにあります。この記事では、その2つの要素を見直す基本を整理します。

順位が上がってもクリックされない理由

検索結果の画面には、ページごとに見出しのような「タイトル」と、その下に続く数行の「説明文」が表示されます。検索する人は、この2つの情報だけを見て、どのページを開くかを数秒で決めています。順位が上位であっても、タイトルと説明文に魅力がなければ、その候補は読まれる前に飛ばされてしまいます。

この「表示されたリンクが実際にクリックされた割合」をCTR(クリック率。検索結果や広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた回数の割合のことです)と呼びます。SEOの取り組みは、順位という「表示される機会」を増やす活動と、CTRという「表示された後に開いてもらう」活動の、2段階に分かれています。多くの会社は前半の順位対策に力を入れ、後半のタイトル・説明文の見直しを後回しにしがちです。

私自身、個人事業主として長年ホームページ制作やSEOのコンサルティングに携わってきましたが、順位はそのままでもタイトルと説明文を書き直すだけでクリック数が増えた、という場面に何度も立ち会ってきました。順位を上げる取り組みと、同じくらい、タイトル・説明文を見直す取り組みにも手間をかける価値があります。

タイトルタグが「検索エンジン向け」になっている

検索結果の一番太字で表示される部分は、ページの「タイトルタグ」(ブラウザのタブや検索結果に表示される、ページの題名を指定する部分のことです)という設定で決まります。多くの会社が最初につまずくのは、このタイトルタグに、検索されたいキーワードを詰め込みすぎることです。

たとえば「◯◯市 内装 工事 見積もり 無料 安い」のように、キーワードを並べただけのタイトルは、検索エンジンには伝わっても、人が読むと不自然に映ります。検索する人は、キーワードの並びではなく、「自分の悩みに答えてくれそうか」を見ています。引っ越し業者を比較するとき、業者名だけが並んだ一覧より、「荷物の量に応じた料金例」が一言添えられた業者の方が目に留まるはずです。タイトルタグも同じ発想で書く必要があります。

もう1つのよくある失敗は、すべてのページで同じようなタイトルを使い回すことです。会社名だけが変わって、他は同じ文言のページが並んでいると、検索する人はどのページが自分に合っているのか判断できません。ページごとに「このページで何が分かるのか」を一言で言い切ることが、タイトルタグの基本です。

メタディスクリプションが活かされていない

タイトルの下に表示される数行の説明文は「メタディスクリプション」(検索結果でタイトルの下に表示される、ページの内容を要約した説明文のことです)という設定で指定します。メタディスクリプションは、直接の順位には影響しないとされていますが、クリックされるかどうかには大きく影響します。

多くのサイトでは、このメタディスクリプションを設定していないか、ページの冒頭の文章がそのまま自動で切り出されています。自動で切り出された文章は、途中で意味が切れてしまい、読み手に内容を伝えきれないことがよくあります。設定を怠るということは、検索結果という接客の場面で、何も説明せずに黙ってしまっているのと同じ状態です。

メタディスクリプションには、ページを読むと何が得られるのかを、具体的に書く必要があります。「料金の目安」「対応エリア」「導入までの流れ」など、検索する人が知りたいであろう情報を一言で示すだけで、同じ順位でもクリックされる可能性は上がります。

クリックされるタイトル・説明文の書き方

タイトルタグとメタディスクリプションを見直すときは、次の3つを意識します。

1. 検索する人の悩みを言葉にする

タイトルの冒頭に、検索する人が抱えていそうな悩みや目的を置きます。「料金」「比較」「選び方」など、検討段階に応じた言葉を使うと、自分に関係のあるページだと認識されやすくなります。

2. 他のページとの違いを一言で示す

同じテーマで複数のページがある場合、タイトルだけでページの違いが分かるようにします。「基本編」「初めての方向け」のような補足ではなく、内容そのものの違い(対象業種、扱う範囲など)を一言で示すほうが伝わります。

3. 説明文は「読むメリット」で締める

メタディスクリプションの終わりには、読むとどんな情報が手に入るのかを置きます。ページの要約ではなく、読み手が得るメリットを言葉にすることが、クリックへの最後の一押しになります。

見直す場所 避けたいこと 意識したいこと
タイトルタグ キーワードの詰め込み 悩みや目的を言葉にする
タイトルタグ 全ページで同じ文言の使い回し ページごとの違いを一言で示す
メタディスクリプション 設定せず自動切り出しのまま 読むメリットを明記する

見直すときによくある失敗

タイトルと説明文を見直す際、注意したい点が2つあります。1つ目は、文字数を超えて検索結果の表示が途中で切れてしまうことです。タイトルは30字前後、説明文は100字前後を目安に、伝えたい情報を前半に置くようにします。

2つ目は、クリックされることだけを優先して、ページの内容と合わない大げさな表現を使うことです。説明文で期待させた内容がページ内に見つからなければ、開いた直後に離脱(りだつ。ページを開いた直後に、内容を読まずに閉じてしまうことです)されてしまい、むしろ評価を下げかねません。タイトルと説明文は、あくまでページの内容を正しく要約した上で、魅力的な言葉を選ぶことが前提です。

まとめ

検索順位を上げる取り組みと、検索結果でクリックしてもらう取り組みは、別の作業です。順位が上がっても問い合わせが増えないときは、タイトルタグとメタディスクリプションを見直すことで、同じ順位のまま流入を増やせる可能性があります。

要点 内容
タイトルタグ キーワードの詰め込みをやめ、悩みや目的を言葉にする
メタディスクリプション 自動切り出しのままにせず、読むメリットを明記する
文字数 タイトル30字前後、説明文100字前後を目安に、前半に要点を置く
注意点 内容と合わない大げさな表現は、開いた直後の離脱につながる

記事内の専門用語/意味

記事内の専門用語 意味
SEO 検索エンジンでより上位に表示されるよう、サイトを整える取り組みのこと
CTR 検索結果や広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた回数の割合のこと
タイトルタグ ブラウザのタブや検索結果に表示される、ページの題名を指定する部分のこと
メタディスクリプション 検索結果でタイトルの下に表示される、ページの内容を要約した説明文のこと
離脱 ページを開いた直後に、内容を読まずに閉じてしまうこと