LINE公式アカウント(会社やお店が運営できる、LINEの法人向けアカウントのことです)の管理画面に、新しい「投稿」という機能があるのをご存じでしょうか。運営元のLINEヤフー社は、この「投稿」機能を2026年10月21日からすべてのLINE公式アカウントで使えるようにすると発表しました。これまでは認証済みアカウントだけの先行提供でした。背景には、2026年9月末に終了した「LINE VOOM」の後継という位置づけがあります。この記事では、何が変わるのか、中小企業が今のうちに確認しておきたい点を整理します。
「投稿」機能の概要と、10月21日に何が変わるのか
「投稿」は、文字・画像・動画を自由に組み合わせてコンテンツを作成し、友だち以外のユーザーにも発信できる機能です。LINEヤフー社は2026年9月上旬にこの機能をリリースしました。ちょうどLINE VOOMの終了と前後するタイミングで登場した経緯があります。VOOMが担っていた「友だち以外への無料の露出経路」という役割を、形を変えて引き継ぐ機能だと位置づけられます。
提供のスケジュールには段階がありました。まず認証済みアカウント(LINEヤフー社の審査を通過し、公式に本人確認されたアカウントのことです)に限って、2026年9月16日から先行提供が始まりました。そして今回、2026年10月21日からは、認証の有無を問わずすべてのLINE公式アカウントで使えるようになります。つまり、これまで「自社は認証済みではないから関係ない」と見送っていた事業者も、対象に入ります。
投稿の作成はWeb版の管理画面(LINE Official Account Manager)から行う案内になっています。操作自体は、これまでメッセージ配信用のコンテンツを作っていた管理画面の延長線上にあり、大きく迷うことはないと見られます。ただし、リリース自体が一度延期された経緯もあるため、実際の開始日や操作手順は、LINE公式アカウントのお知らせページで最新情報を確認することをおすすめします。
ビジネスプロフィールとの連動で、露出の形が変わる
「投稿」が表示される場所は、現時点で2つ想定されています。ひとつはLINEアプリを開いたときに表示される「ホームタブ」(友だち以外の投稿も流れる画面のことです)です。もうひとつが「ビジネスプロフィール」への表示です。
ビジネスプロフィールとは、2025年10月に始まった機能で、住所・営業時間・公式サイトURLといった基本情報を1つの画面にまとめて表示するものです。いわば、LINEアプリ内に置かれた簡易的な会社・店舗情報ページだと考えると分かりやすいでしょう。LINEヤフー社は、今後ビジネスプロフィールのリニューアルを予定しており、それ以降は「投稿」の内容もこのビジネスプロフィール上に表示されるようになる計画です。
この連動が実現すると、LINE公式アカウントは「友だちへの一斉配信ツール」であると同時に、「検索・訪問してきた人に自社の最近の動きを見せる発信面」という役割も持つようになります。これは、Googleビジネスプロフィールの「投稿」機能が、Google マップ上で店舗の最新情報を発信する場として使われているのと似た構図です。プラットフォームが異なっても、「基本情報ページ+継続的な投稿」という組み合わせで事業者の発信力を測ろうとする流れは共通しています。
ホームタブ表示は保証されない。無料露出に依存しない設計を
ここで注意したいのが、「投稿すれば必ずホームタブに表示される」わけではないという点です。掲出するかどうかの基準はLINEヤフー社側が決めており、事業者が投稿した内容のすべてが、友だち以外の目に触れるとは限りません。LINE VOOMの時代も、実際には表示のされ方にばらつきがありましたが、今回の「投稿」機能でも同様に、露出が保証された仕組みではないという前提は変わりません。
私自身、沖縄ITイノベーション戦略センターに在籍していた時期に、Facebook・Instagram広告の運用を担当し、従来の3分の1の費用で成果を出せる運用体制を作った経験があります。その経験を通じて感じてきたのは、SNSやメッセージアプリの「無料で見てもらえる仕組み」は、プラットフォーム側の判断ひとつで形を変えてしまうということです。今回のLINE VOOM終了から「投稿」機能への移行も、同じ構造の一例だと捉えておくとよいでしょう。
だからこそ、「投稿」機能だけに発信を集中させるのではなく、複数の発信先を組み合わせておくことが重要です。BtoBのSNS運用で問い合わせにつなげる最初の視点でも触れていますが、SNS運用(会社の公式アカウントで情報発信を続ける活動のことです)は、フォロワー数や閲覧数そのものを目的にせず、最終的に問い合わせへつながる動線とセットで設計する必要があります。「投稿」機能も、友だちへの直接的な「メッセージ配信」を補う位置づけで使うのが現実的です。
コンテンツ形式の選択肢が広がった点は活用したい
一方で、今回の「投稿」機能が文字・画像・動画を組み合わせられる点は、積極的に活用したい変化です。BtoB動画コンテンツの始め方でも紹介しているとおり、動画は凝った映像でなくても、現場や担当者の顔が見えるだけで信頼感を生みやすい形式です。「投稿」機能を使って、短い施工風景や商品紹介の動画を友だち向け配信とは別に発信しておけば、ホームタブに表示されなかった場合でも、ビジネスプロフィールを訪れた人に向けた蓄積コンテンツとして残ります。
注意点・よくある誤解
今回の件で誤解しやすいポイントを2つ挙げます。
1点目は、「LINE広告」とは別物だという点です。LINE公式アカウントの「投稿」は無料で使える発信機能であり、費用をかけて配信する広告ではありません。ちょうど同時期に、別の仕組みであるLINE広告はいつまで?10月26日配信終了と移行の確認点で紹介した「LINE広告」自体の配信終了・移行も進んでいるため、名前が似ている別々の話を混同しないよう注意してください。
2点目は、LINE VOOMに過去投稿していた内容は、新しい「投稿」機能へ自動的に引き継がれないという点です。VOOMのバックアップ申請で保存したデータがあっても、同じ内容を改めて「投稿」機能で作成し直す必要があります。過去の資産をそのまま使い回せると思い込んでいると、移行作業で手間取ることになります。
まとめ
LINE公式アカウントの「投稿」機能は、2026年10月21日からすべてのアカウントに開放されます。LINE VOOM終了後の後継として位置づけられ、将来的にはビジネスプロフィールへの表示も予定されている点が、中小企業にとって注目すべき変化です。ただし、ホームタブへの表示は保証されないため、これまでと同じ規模の無料露出を期待しすぎないことが大切です。
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 利用開始日 | 2026年10月21日からすべてのアカウントで利用可能 |
| 表示先 | ホームタブ(表示は保証されない)とビジネスプロフィール(連動は今後) |
| VOOMとの関係 | 後継機能だが、過去投稿は引き継がれない |
| 運用の方針 | メッセージ配信を補う位置づけで、他の発信先と組み合わせる |
この記事に出てきた専門用語は、下の表にまとめました。
| 記事内の専門用語 | 意味 |
|---|---|
| LINE公式アカウント | 会社やお店が運営できる、LINEの法人向けアカウント |
| ビジネスプロフィール | LINE公式アカウントの住所・営業時間・公式サイトURLなどをまとめて表示する機能(2025年10月開始) |
| ホームタブ | LINEアプリを開いたときに表示される、友だち以外の投稿も流れる画面 |
| SNS運用 | 会社の公式SNSアカウントで情報発信を継続する活動 |
