「会社概要ページは、名前と所在地と設立年を並べておけば十分」。そう考えている担当者は少なくありません。しかし、BtoB(企業同士の取引のことです)の検討プロセスでは、会社概要ページは問い合わせの直前に必ず目を通されるページです。この記事では、会社概要ページと代表者プロフィールの書き方を見直し、訪問者の不安を減らして問い合わせにつなげるための具体的なポイントを整理します。

会社概要ページが後回しにされがちな理由

サイトのリニューアルをするとき、力を入れるのはトップページやサービス紹介ページが中心になりがちです。会社概要ページは、テンプレートに会社名・所在地・設立年・資本金を埋めるだけで完成させてしまうことが多いページです。更新も忘れられやすく、何年も前の役員名や旧オフィスの住所がそのまま残っているケースも珍しくありません。

しかし、見込み客が契約前に確認する行動を思い出してみてください。リフォーム会社を選ぶとき、複数社から見積もりを取った後、最後に「この会社は本当に信頼できるのか」を確認するために会社概要や代表者のページを見るはずです。BtoBのサービスでも同じ心理が働きます。価格やサービス内容に納得した後、最後の確認として会社概要ページが見られています。

LP全体の改善に取り組む際、トップページや料金ページの改善ばかりに目が向き、会社概要ページが見直しの対象から漏れることがよくあります。訪問者の検討プロセスの最終段階を担うページであるにもかかわらず、優先順位が低く扱われてしまうのです。結果として、サービス自体には魅力を感じていた見込み客が、会社概要ページの情報不足や古さを理由に、問い合わせを踏みとどまってしまう事態が起こります。

会社概要ページを後回しにしてよいページだと考えている限り、せっかくの検討の最終段階で離脱を招いてしまいます。まずは、このページが果たしている役割を正しく認識することが見直しの出発点です。

アクセス解析のデータを見ても、この傾向は裏付けられることが多いです。会社概要ページは、サイト全体の中でページビュー自体は少ないものの、問い合わせフォームへ進む直前に閲覧されやすいページとして記録されます。つまり閲覧数の少なさは、重要度の低さを意味しているわけではありません。むしろ、数は少なくても検討の最終段階にいる訪問者が集まりやすい、特別な位置づけのページだと捉えるべきです。

何を書くべきか―事業内容・実績・理念の見せ方

会社概要ページに必須の項目として、会社名・所在地・設立年・代表者名・事業内容は誰もが記載しています。問題は、これらの項目を事務的に埋めるだけで終わっていることです。信頼を高めるページにするには、項目の「書き方」を変える必要があります。

事業内容は、専門用語を避けて具体的に書く

事業内容の欄に「マーケティング支援業務」とだけ書かれていても、訪問者には何をしてくれる会社なのか伝わりません。「中小企業のWebサイトからの問い合わせを増やすための、広告運用とサイト改善の支援」のように、誰に対して何をするのかが分かる書き方に変えます。業界内でしか通用しない専門用語は避け、初めてサイトを訪れた人にも伝わる言葉を選びます。

実績は、数字を使って具体的に示す

「多数の企業様にご利用いただいています」という表現は、何件なのか、どんな会社なのかが分からず、読んだ人の印象に残りません。具体的な数字や事例があれば、そのまま示したほうが説得力は高まります。事例記事として個別に紹介できる実績があるなら、会社概要ページからその事例記事へリンクを張り、概要ページの情報量を補う形にするのも有効です。

理念やこだわりは、行動とセットで書く

経営理念や企業方針を掲げている会社概要ページは多いですが、理念だけが書かれていて、それを実行するための具体的な行動が書かれていないケースがよくあります。「お客様第一主義」という言葉だけでは、どの会社も同じことを言っているように見えてしまいます。その理念を実践するために、実際にどんな取り組みをしているのかを一文添えるだけで、言葉の説得力は変わります。

沿革は、転機となった出来事を選んで書く

会社の沿革を年表形式で載せているページも多いですが、設立から現在までの出来事をすべて並べる必要はありません。事業内容を大きく変えた転機や、新しいサービスを始めたきっかけなど、読んだ人が会社の成長の背景を理解できる出来事を選んで書くほうが、記憶に残りやすくなります。羅列された年表よりも、要点を絞った沿革のほうが、結果として読んでもらえる可能性が高まります。

代表者プロフィールの書き方―顔写真の有無と経歴の見せ方

会社概要ページの中でも、訪問者が特に注目するのが代表者プロフィールです。特に中小企業や個人事業主の場合、「この会社はどんな人が運営しているのか」という関心が、「この会社」という組織への関心以上に強く働くことがあります。

顔写真は必須ではない

顔写真を載せたほうが信頼されやすいという意見はよく聞きますが、必須ではありません。実際、自分自身の事業のプロフィールページを作る際、顔写真を使わず、経歴と実績だけで信頼を得る構成にした経験があります。顔を出すことに抵抗がある場合、写真の代わりに経歴の具体性で信頼を補うという選択肢があります。大切なのは、写真があるかどうかではなく、読んだ人が「この人は実際にこの分野で経験を積んでいる」と感じられるかどうかです。

経歴は、年数の羅列ではなく「何をしてきたか」で書く

経歴欄に「20XX年、〇〇株式会社入社」「20XX年、独立」という年表だけが並んでいる会社概要ページをよく見かけます。年表そのものは嘘ではありませんが、読んだ人には「結局、何が得意な人なのか」が伝わりません。在籍していた期間に、どんな課題にどう取り組み、どんな成果につながったのかを一言添えるだけで、年表は実績の証明に変わります。

失敗や回り道も、正直に書く

プロフィールを書くとき、成功体験だけを並べたくなりますが、良いことも悪いことも含めて書いたほうが、むしろ信頼されやすくなります。回り道をした経験や、うまくいかなかった時期を正直に書くことで、誇張のない人物像として伝わります。完璧すぎる経歴は、かえって作り物のような印象を与えてしまうことがあります。

会社概要ページの導線設計―問い合わせへどうつなげるか

会社概要ページの内容を充実させても、そこから次の行動につなげる導線がなければ、訪問者はページを読んだだけで離脱してしまいます。会社概要ページは「読んでもらう」だけでなく、「次の一歩を用意する」ページとして設計する必要があります。

ページの最後に、次の行動を用意する

会社概要ページの最後が、会社の沿革や資本金といった情報だけで終わっていると、訪問者はそこで読むことをやめてしまいます。ページの終わりに、無料相談ページへの案内や、問い合わせへのボタンを置くことで、信頼を確認した直後の行動を用意できます。会社概要を読んで納得したタイミングは、問い合わせへの心理的なハードルが最も下がっている瞬間です。

残っている疑問は、FAQへつなげる

会社概要ページを読んでも、「対応エリアは」「契約の最低期間は」といった、具体的な条件への疑問が残ることがあります。FAQページへのリンクを会社概要ページに置いておくことで、信頼は得られたものの細部が気になっている訪問者の疑問を、その場で解消できます。会社概要ページとFAQページは別々のページですが、訪問者から見れば、検討の最終段階を支える一続きの体験です。

他のページへの移動も、迷わない設計にする

会社概要ページを読んだ後、サービス内容や料金のページへ戻りたいと思う訪問者もいます。ページの上部や下部に、主要なページへのリンクをまとめておくと、会社概要ページを起点にサイト内を回遊しやすくなります。逆に、会社概要ページだけが他のページから孤立した構成になっていると、せっかく訪問者がたどり着いても、そこで検討が止まってしまう恐れがあります。

運用で陥りやすい失敗

会社概要ページの運用を見直す際、共通して見られる失敗がいくつかあります。1つ目は、テンプレート文のまま更新していないことです。役員の交代やオフィスの移転があっても、会社概要ページだけ古い情報が残っているケースは多く、むしろ訪問者の不信感を招いてしまいます。

2つ目は、他社の会社概要ページの構成をそのまま真似てしまうことです。業界で一般的な構成を参考にすることは有効ですが、自社の強みや経緯が反映されない内容になってしまうと、他社との違いが伝わらないページになります。3つ目は、公開後に効果を確認しないことです。会社概要ページを見た訪問者が、その後問い合わせに進んだかどうかをアクセス解析で確認し、離脱が多い場合はページ構成の見直しを検討します。

まとめ

会社概要ページを、名前と所在地を並べるだけの定型ページとして扱っている間は、検討の最終段階で訪問者を取りこぼしてしまいます。事業内容や実績を具体的に書き、代表者プロフィールで実体験に基づく信頼を示し、問い合わせへの導線まで用意することで、会社概要ページは最後の後押しをするページに変わります。

見直しポイント 具体策
事業内容の書き方 専門用語を避け、誰に何をするのかが分かる具体的な表現にする
実績の見せ方 抽象的な表現を避け、数字や事例記事とのリンクで具体性を補う
代表者プロフィール 顔写真の有無にこだわらず、経歴を「何をしてきたか」で書く
導線設計 ページの最後に問い合わせや無料相談への案内、FAQへのリンクを用意する
運用の見直し 情報の更新を怠らず、アクセス解析で離脱状況を確認する

記事内の専門用語/意味

記事内の専門用語 意味
BtoB 企業同士の取引のこと
導線 訪問者が次の行動に進むまでの、サイト内の移動の流れのこと
アクセス解析 サイトへの訪問状況や訪問者の行動を確認できる仕組みのこと